『本来の彼の走りではなかったように思う。悔しいというより残念です』
日本最強に君臨し続ける 武豊 はこう言った。
直前の追い切りでは休養明けを全く感じさせない気合いを見せていた ディープインパクト 。
まるで一度叩いたかのような気合い乗り。
それでいて当日のパドックでは落ち着いた雰囲気、充実した馬体。
レース直前の彼を見ると無事に回りさえすれば世界は衝撃を受ける。
そんな確信さえありました。
運命のスタート。
出負けなし。
もの凄い気合いの ディープインパクト はそのままハナに立つかのような雰囲気。
武豊 は ディープインパクト をなだめるように二番手へ。
道中は ハリケーンラン にマークされるポジションながらも三番手で最終コーナーへ。
武豊 『追い出す前まではいつもの彼だった』
前にいた分、少々早めの仕掛けだったがいつもの インパクト はそこにはなく。
2頭の伏兵に先着を許す結果となった。
ただでさえ重い外国の馬場。
その上に斤量が59.5キロ。
その2つの要素が決して大きくない ディープインパクト の身体を少しづつ、少しづつ消耗させていたのかもしれない。
凱旋門賞というレースは本当に本当にタフなレースだった。
ディープインパクト にもう一つ忘れ物ができた。
個人的にはそう思いたい。
≪武豊に聞く≫
――レースを終えて感想を。
残念です。悔しいというか残念。
――先行する形になったが?
もしかしたら先手もあると思っていたので想定の範囲。内にいるのが嫌だったので、途中でいったん下げて外に出した。
――手応えよく直線を迎えたように見えたが…。
いい感じだったけど…。いつものような、もうひとつのギアが出なかった。伸びない…ウーンという感じ。きょうは力を出し切っていない。
――体調面は?
よかった。人馬ともにベストを尽くしたと自信を持って言える。
――日本のファンへひと言。
やり残したことができた。また挑戦したい。本当に残念です。
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