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2021年03月28日15:16 競馬Masters RSS




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[ 関谷泰正 ] 競馬場へ行こう - お詫びと創生

 


この1ヶ月半、休載してしまった事をまずはお詫び申し上げます。
競馬Masters関係者の皆様、そして数少ない読者の皆様へ、
深く深く、頭を下げたくなるような心境です。

昨年から私のコラムを読んでいる方ならば、
薄々感じる事が出来たかもしれませんが、
ここ最近、私の競馬に対するモチベーションの下がり方は
尋常ではありませんでした。

 「他者」の動向に対して、阿呆の様に労力と時間をかける事が、
  「自分」にとってどんな意味があるのか?

こういった悩み、大げさに書けば競馬に携わる大命題となり得る疑問が、
常に頭の片隅に居座り、結果、
真面目に予想する事が馬鹿げた行為であるとの仮定を生み出しました。

※真面目に予想をされている方が気を悪くされたなら申し訳ありません。
  悪気がある訳では全くありませんので、ご容赦下さい。

上記の様な思想が生まれた温床としては、昨年1年間とくに激しかった、
私の競馬への執念が間違いなく存在しています。

昨年春のクラシックシーズン、自分で書くと嘘臭くなるのですが、
私の予想は輝いていました。
中でも皐月賞を本命−対抗で的中した事は、
自分にとって大きな自信と誇りにつながりました。
しかし一方で、
どうしても自分の予想が当たらないレースも幾つかありました。

常に圧倒的1番人気の馬がいて、
私はその馬を負かせる可能性のある戦法を考えました。
その馬が走ったレースのVTRを何度も何度も見返して、
これならば確実に実行するだけの価値がある戦法だと、
断言できるだけの自信を持っていました。
それでも、そのイメージを実行した騎手は、
結局最後まで現れませんでした。

騎手は勝利を目指して馬を追い、鞭を振るう。
これが競馬におけるひとつの前提であるという信心が、
実は単なる盲信で、
競馬には自分の様ないち競馬ファンがどうあがいても予想し得ない
悲しい事実があるのではないか・・・。
こうした疑問が、モチベーションの低下へ繋がったのです。
私の考えた戦法は、そんなに難しい事ではなく、
実行出来るだけのチャンスはいくらでも存在した事もまた、
疑心に拍車をかけました。

疑心は今も確実に持っています。
結局真面目に予想をしたところで、
自分ではどうにも動かせない他者の力によって、
簡単に、すごく簡単に結果を変えられてしまう事が常にあるという事は、
少し競馬をかじった人ならばいくらでも思い当たるフシがあるでしょう。
別に的中率100%を目指している訳ではありませんが、
どうやっても100%には届かないと決定付けられると、
突然物事を投げ出してしまうくらい、
私は競馬における完全主義者だったのかもしれません。

では、どうしてこうやって、もう一度キーを叩いているのか。

結局私は、競馬をやっていないと駄目になる様な気がしたからです。
博打をやらない人が読んだら、思わず噴出してしまう様な理由ですが、
それでも、本当にそう思います。

何かに夢中になれる素晴らしさは、このつまらない世の中において、
かけがえの無い財産です。

人生思い通りに行く事なんかほとんどありません。
競馬に理想を追い求める事も、実は幼稚で無謀なのではないでしょうか。
当たる、外れるを度外視して競馬から学び取れる事はたくさんありました。
これから学べる事だって、たくさんあるはずです。
春のクラシックが終わったところで、ようやくそう思える様になりました。

今年のダービーも、競馬場へ行きました。
レースだけに特化して書けば、金を払って見る価値はありませんでした。
しかしそこには、記録を破ったという歴史がありました。

以前、私はコラムで、こう書いた事があります。
  『レースに勝つ馬のファンとなるよりも、
   予想を当てる自分の、唯一のファンになりたい。』
新たな歴史は、自分の手で、自分だけの為に刻んで行きます。

今まで以上に自己中心的なコラムになる事は間違いなさそうですが、
それでも読んでくださる物好きな方へ。ありがとう。

 

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