興味深いニュースが入ってきました。
「ホーリーローマンエンペラー引退、種牡馬入りへ」
ホーリーローマンエンペラーは愛国産馬で、
既にG1を2勝、G2を1勝している3歳馬です。
特に怪我をしたというわけではなく、順調に調整が進められていました。
7戦4勝という成績から、クラシックでも有力視されていた矢先の引退です。
同馬が引退へ至った原因は、馬主サイドの意向でした。
今年から種牡馬入りしたジョージワシントンの生殖能力に問題ある事が判明し、
同じ父(デインヒル)を持つ同馬をその代わりにしたいとの事です。
また同時に、ジョージワシントンの現役復帰が検討されています。
競馬に対する生産者の意識が、色濃く反映された事件だと思います。
生産者にとっての最大の目標は何か?
この問題について、
私は「強い馬を作ること」であると当然のように考えていましたが、
それはどうやら間違いだったようです。
正解は「売れる馬を作ること」でした。
金儲け主義を批判するつもりは毛頭ありません。
先週書いた高知競馬の例の様に、経営に窮して愚策を用いるより、
どれだけ正しい目的意識であるか、言うに及びません。
少し考えてしまったのは、
こういった考え方を持つ生産者、馬主によって営まれている競馬に対し、
ただ単純に楽しむ事を考えて携わるという事は、
なんだかとても幼稚なのではないか?という事です。
馬券を買う事。これは紛れもない博打です。
博打を打つのに「楽しむ」なんて、危険すぎると思います。
ましては胴元は、金儲けを第一に考えているかもしれないのです。
今回の例は欧州クールモアについてですが、
日本競馬においても思い当たるフシはいくらでもあるでしょう。
ジャパンブリーダーズカップ協会の第7回JBC競走への支援中止なんて話は
馬産者の思いを表す良い例です。
こんな話は、競馬を長年やっている人なら当たり前の様に感じているはずです。
これから競馬をやろうと考えている人も、
競馬とカネについて、頭の片隅に意識しているべきだと思います。
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