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2021年03月28日15:16 競馬Masters RSS




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[ 関谷泰正 ] 競馬場へ行こう - 第51回有馬記念

 

さぁ今年の競馬のいよいよ最終週。第51回有馬記念です。
ディープインパクトのラストランという意味での注目度は確かに高いですが、
他にも個性と実力を兼ね備えた馬はたくさんいます。
精鋭14頭を、私なりに改めて見直してみました。

1番 ポップロック 牡5 ペリエ 角居厩舎
春、成長と共に馬が競馬を覚えた印象。先行抜け出し&長い脚が武器。
切れる脚は無いので、中山では前々の競馬をすべき。
ペリエも「先行するから内枠歓迎」との事。
目黒でアイポッパーを封じ込めたが、これは斤量差と馬場の恩恵が大きかった。
メルボルンでは絶好の差し展開も、デルタの粘りには及ばず。距離適正の差か。
常識的に見て、成長期はそろそろ終了。

2番 デルタブルース 牡5 岩田 角居厩舎
好不調の差が激しい馬。岩田「今は気力が戻っている」との見解。
スタミナが活きる展開なら差しでも先行でもOKという自在性は必見。
エンジンのかかりは遅いが、一度かかるとスピードはゴールまで落ちない。
ハイから先行粘りこみも可。長い末脚をフルに発揮できれば勝機。

3番 ドリームパスポート 牡3 内田博 松田博厩舎
真面目な気性で、常に実力をフルに発揮できる。
「坂苦手」説はあり得ない。皐月の坂ではサムソンより脚色良かった。
JCでのディープとの直線勝負は内外の差もあったが、基本的には力負け。
瞬発戦なら圧倒的なギアチェンジを発動出来る。
JCでコスモバルクに並んだ際、これまで以上の根性を見せた。

4番 ディープインパクト 牡4 武豊 池江郎厩舎
単機最後方からの大外捲り戦法が決まるかどうかが全て。
テイエムオペラオーの様な馬群を割る勝ち方は気性的に不可能。
有利な展開としては、馬群ばらけた状態で、向こう上面外々を上がっていき、
4角では半分以上抜き去る。そこから外に膨れないコーナリング。
去年はこの戦法で敗れたが、結局はこの競馬が安全。
中山急坂では脚が一瞬鈍る傾向がある為、それを考慮しての早差しが必要。
実力、実績は圧倒的に抜けた存在。

5番 ダイワメジャー 牡5 安藤勝 上原厩舎
バルクやサムソンとは正反対で、早め先頭からの押し切りが得意。
長距離は久々。2400mのダービーでは、一応最後までバテていない。
中山の相性は絶好。気性的にも大人で、能力はフルに発揮できる。

6番 スイープトウショウ 牝5 池添 鶴留厩舎
天皇賞秋、直線内のアドマイヤムーン武豊に対し、堂々と進路をふさいだ池添。
騎手、脚質、枠から、武ディープに対して外併走できる可能性が高い1頭。
去年と今年のエリザベスはほぼ同じ条件だが、上がりは33.2から34.4へダウン。
やはりピークは過ぎているか。
輸送しても馬体維持できている事が好走の大前提。
中山は未知だが、4角捲りから差し切る形がある以上悪くはないはず。

7番 コスモバルク 牡5 五十嵐冬 田部和厩舎
とにかく根性を活かせる競馬が絶対条件。
好ましい展開は、先行しつつ、前の強い先行馬を目標に、
直線でロックインしてきっちり差す競馬。
昨年は内々をまわって、目標をハーツとリンカーンに定めて好走。
後ろからこられると、意外に脆い面もある。

8番 メイショウサムソン 牡3 石橋守 瀬戸口厩舎
成長分もあるが、やはりもうひと絞りは欲しいところ。
JCは完全に騎乗ミス。直線で何故ディープと併せて行かなかったか!
併せ馬での根性を使うのがこの馬の好走パターンだったはず。
  (皐月:ドリパスが内から併せて来たところを差し返す)
  (ダービー:前のアドマイヤメインを目標に、併せて差す)
JCでのサムソンは、直線でずっとディープを見ていた。
バルク同様、とにかく前に目標が欲しい。
前々の競馬をする予定なので、目標候補はメイン、メジャー、バルクか。

9番 トウショウナイト 牡5 武士沢 保田厩舎
特に中山が良いというわけではなく、ペースやコースに惑わされない素直な馬。
差して早め先頭粘りこみ。一度前に立つと簡単には抜かせない根性はある。
真骨頂はアル共。超ハイペースから先行馬で唯一の粘り腰で価値ある勝利。
今年の日経賞ではバルクに先着。これはバルク引っかかり&直線で前が壁。
京都大賞典では、直線前が壁となり、一瞬しかけが遅れてしまう。
不利がなければスイープと同等だったが、この時点のスイープは11ヶ月ぶり。
そう考えると、やはり実力は1枚おとるか。

10番 アドマイヤメイン 牡3 柴田善 橋田厩舎
3角までに大量リードが欲しい。
コーナーでの加速は苦手。好例は神戸新聞杯と香港ヴァーズでの敗戦。
バルクやダイワと共に大量リードを作って粘りこみというパターンが必須。
となると引き離し逃げ→ハイペースを作った方が良いのは明らかで、
柴田善も大逃げを宣言している。
ローテーションは不利。

11番 スウィフトカレント 牡5 横山典 森厩舎
JCくらいのスローペースではやはりかかってしまう気性。
オールカマーもスローだったが、横山典は前を壁にして折り合いをつけた。
やはりハイペースからの末脚勝負がベター。瞬発力勝負では分が悪い。
捲り、坂は無問題なので中山はOK。

12番 アドマイヤフジ 牡4 武幸 橋田厩舎
前2走の京都、4角内々でペースアップ→内を抜けてくるイメージが強いが、
出遅れて敗れたセントライト記念を見る限り、中山相性は良さそう。
休養前時点でスウィフトと同等の力。
スウィフトはここから目覚しい成長を遂げたが、やはり11ヶ月ぶりは不利。
昨年秋は、使うたびに力を付けていったタイプだけに、なおさら。
来年はじめの京都の舞台で再び活躍するため、ここは叩き台の可能性もある。

13番 ウインジェネラーレ 牡6 蛯名 国枝厩舎
かつては日経賞でゼンノロブロイを逃げ切りで封じ込めた実績の持ち主。
ブランク明けからの3走だが、走りを見ると力は戻っている。
オールカマーは久々とは思えない4角捲りを見せたが、いかんせんスロー。
逆にアル共は超ハイペースにやられた。
しかしこのレース勝ったのはウインよりも前で競馬をしたトウショウナイト。
やはり早め仕掛けの捲りが必要だが、その次元はやはり低い。

14番 トーセンシャナオー 牡3 勝浦 森厩舎
セントライトはまぐれと言っても過言ではない。
このレース、外からの差し馬はほぼ全部不利を受けた。
JCはスローの2番手から。
直線半ばで勝負をかけるがバルクやドリパスに簡単にちぎられる。
距離も多少長い。中山はOKだが、基本的に力不足の上に不利な大外枠。

展開としてメインが逃げるのは間違いありませんが、
メインは外枠、さらにスタート直後に苦手のコーナーなので、
後続に差をつけられるのは1週目スタンド前です。
そこまではほぼ固まった状態と予想します。
前につけるのはポップ、ダイワ、バルク、サムソン、ナイト。
ドリパスは先行勢を見ながら内々を回る競馬。
メンバー的に見て、ハイペースになると読むのが自然で、
ディープやスイープやスウィフトは迷う事無く後方につけるでしょう。

香港帰りから中1週のメインがどこまで頑張って引っ張れるか。
それによってレースの様相は大きく変わります。
早めにバテてしまうならば、ダイワの先行抜け出し。
ギリギリまで頑張れるならば、それを目標としたバルクとサムソンの台頭。

ドリパスやディープにとって大事なのは、ペースではなく3〜4角での馬群状態。
ダンゴ状態なら瞬発力でドリパスが圧倒。
縦にバラけた状態なら捲りの効くディープが差し切ります。

私はドリームパスポートを買いますが、的中よりも望む事がひとつ。
「全ての馬、全ての騎手が勝ちに行く」
そんな当たり前の事を、当たり前に見せてもらいたいレースが有馬記念です。
全ての馬が実力をフルに発揮して、納得と感動を得られるレースを期待します。
さあ、競馬場へ行こう!

 

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