競馬専門誌や新聞を読んでいると必ず目に入る、過去10年の成績。
菊花賞においてもそれは例外ではなく、
懐かしい馬達の走りが当時の記憶と共に蘇ってきます。
数あるG1の中でも、私はこの菊花賞というレースが大好きです。
牡馬クラシック3冠の最終戦である事にも胸躍るものがありますが、
それ以上に、秋が深まりつつある感傷的な季節に、
少しずつ差し込む西日を背に受けながら、
3000mもの距離をサラブレッド達が駆け抜ける情景が好きです。
淀名物、3角からのアップダウンで沸き起こる大歓声。
競馬の醍醐味が凝縮された、素晴らしい舞台設定だと思います。
記憶に残る菊花賞といえば、私は平成10年の菊花賞を挙げます。
1番人気は武豊鞍上のダービー馬、スペシャルウィーク。
皐月賞馬セイウンスカイは2番人気。
3番人気は世界的良血のキングヘイロー。
この3強がクラシックレースを沸かし、
同世代における壮絶な戦いを演じた、あの年の菊花賞です。
勝者はセイウンスカイ。レコードタイムでの逃げ切りでした。
父シェリフズスターという血統、脚質、馬体などから
長距離は持たないという前評判を覆しての圧逃劇でした。
当時の鞍上は横山典弘騎手。
長距離では定評のある名騎手である事は、わざわざ書くまでもありません。
最近の菊花賞では3年連続で2着という惜しい結果を残しています。
特に昨年、粘り強い先行策でディープインパクトを追い詰めた、
アドマイヤジャパンの走りは記憶に新しいところです。
その横山騎手が、今年はドリームパスポートで菊の舞台に挑みます。
1番人気は3冠へ王手をかけたメイショウサムソンと石橋守騎手。
さらにはダービーで驚異の粘り腰を見せたアドマイヤメイン。
アエローザを筆頭とした上がり馬も多数。
10年経っても20年経っても、「あの年の菊花賞は・・・」と
思い出されるような名レースを期待します。
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